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2025

0506
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2012

0416
 突然書きたくなった、というか、書き写したくなったもので、まったくの雑記です。

 フランス文学者として知られる鈴木信太郎氏について、子息の道彦氏(この人は「失われた時を求めて」を完訳された方)が書き残しておられるんですが、そのさらりとした語り口で語られる情景が余韻深すぎて忘れがたいのです。


「そのころのことは、今も鮮明に思い出される。私たちの家は空襲で消失し、残ったのは父の書斎だけだった。そこだけが、本を火災から守るために、鉄筋コンクリート造りになっていたからである。焼けただれた鉄の扉がどうしても開かないので、私たちはモグラのように穴を掘って、地下から書斎のなかにしのびこんだ。そしてほかに行くところもないので、その書斎に住みつき、はじめは窓に梯子をかけて出入口にする有様だった。こうして焼け残りの書斎は、居間と食堂をも兼ねることになり、そこを中心にしてごく原始的な生活がいとなまれたのであったが、そんなところへときおり渡辺一夫先生があらわれて、父とこの翻訳の打合わせをしておられたお姿を、私は何度か目撃している。」


 書斎というと、私は祖父母の家で、晩年を迎えた祖父が、山のように黄ばんだ紙や、本に埋もれて座っていた書斎を思い出したり(そして、痩せて鋭い目をした祖父の背中とか、パイプを吹かしていた姿とか)、ジョージ・マクドナルドの「リリス」で主人公が誘われる謎めいた図書室とかを連想するんですが、この文章もまた、「書斎」の一つとして忘れがたく印象に残っています。

 なんというか、宮崎駿に描写していただきたい感じで。

 以上、それだけの雑記でした。

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