日記とは言い切れない更新速度です。
2013
凄まじい暑さですね。
いや、日々40度越えしている地域のことを考えたら、そうも言っていられないのかもしれませんが……真夜中過ぎても32度ってどういうことなのか……
暑いし、あんまり暑いなかでPCを立ち上げていても熱暴走しそうなんですが、いつまでも日記のトップに訃報を載せているのもなんなので、最近読んだ本の感想でもつらつらと書いてみようかと思います。
二記事続きます。
一部ネタバレもありますのでご注意ください。
「ふわふわの泉」野尻抱介 早川文庫
SF小説です。
というか、私の受けた印象では化学小説です。
確か、ダイアモンドについて調べている最中に、参考文献としてこの本が挙げられていたので、興味を持って購入してみました。
偶然、学校の科学準備室で、立方晶窒素炭素を作ってしまった女子高生のお話です。
女子高生が主人公だし、文章はどことなくライトノベル?? っぽいし(しかし後になって気付いたが、ライトノベル調というより、単に文章が非常にシンプルなだけだった)、一抹の不安を感じつつ読み進めたのですが、面白かったです。
青春ものかという予想も外れた。どこまでも化学追求小説でした。
ひたすら追求していた。
「これを売れば、一生努力しないで暮らせる」という主人公なのに、いつのまにか立方晶窒素炭素(ふわふわ)を作る会社の社長になり、「五時間以上続けて寝たのはいつの日か」というのが泣かせます。そんな、大人社会の縮図みたいな展開泣ける。
泉さん(ヒロイン)をゆっくり休ませてあげてくれ! と思いつつ読んでいましたが、やることなすことどんどんスケールアップしていき、そのうち泉さんまで積極的に宇宙進出し始めたので、私が止めることなどもう何もなかった。
なお、泉さんは、典型的な(?)白衣着用天才眼鏡っ娘ですが、それより私が気になったのは、片腕をつとめる一年下の後輩、昶(あきら)くんです。
泉さんの発言にツッコミを入れつつ、彼女の指示には絶対服従、絶対敬語、そして優秀。そこまではまあいい。君はどこの高校一年生だ、と思いつつ、それはまあお約束なので(え)
しかし、没落したらしいが、彼の一族の豪邸とか出てくる。
「特許料を払えないか」という話に、さらりと「15万しか」と一言。
男子高校生で、特許料に15万払える生き物とかこの世にいるんですか???!
たとえお年玉を年々溜めてたとしても、普通の男子高校生ならそれでゲーム機でも買っちゃうんじゃないですか(偏った見方)
そこで感じた驚愕から醒める前に、さらに新たな衝撃が走る。
利益の取り分は泉さんが三、昶くんが一、という話に(実際、作るための機械をせっせと揃えたのは昶くんです)、
泉さん「昶くんと半々でもいい」
昶くん「僕は1パーでいいです」
こんな生き物いねえ……!!!!
男子高校生(15歳前後)のこの無欲っぷり。
さらにいうと滅私奉公っぷり。
なお、この後、昶くんは泉さんを支えて一緒に会社を広げていくんですが、それがまた、趣味が滲み出ていて実にあくどい。
なんだか、常に暗躍したがるんです。「反対派に金をばらまく」「相手を分裂させる」「社長の動向を常にスパイする」……やばい、この時点で彼は18歳前後だが、本当に将来は大丈夫か。というか、今すでに大丈夫なのか。
そもそも、なんで彼がこんなに泉さんに傾倒しているのか、その理由がさっぱり分からないので、「きっと泉さんが好きなんだな! たとえこんな男子高校生がこの世に存在しなくても、そういう展開なら納得できる気がする!」と、私の恋愛脳すべてが主張していたんですが、一切そういう展開にならずに終わりました。……おい。思春期とかどうした。ないのか。
……ええと、肝心の化学についてですが、面白かったです。
続編希望です(そして主人公二人の関係を進展させてくれ)
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